土蔵を改造したコレクションルーム
雁田山にほど近い民家の中に昔ながらのたたずまいを残す『急須コレクション茶俚庵』はあります。
庵主の神戸能歩維(かんべのぶただ)さんのご自宅の敷地内の土蔵を改造したコレクションルームには、神戸さんの急須コレクションが約150点ほど展示されています。
元々神戸さんのお父さんが40点ほどの急須を収集していたのがきっかけで興味を持ち、その使う楽しさや、デザイン、形のおもしろさに惹かれていき今では350点ほどのコレクションになったのだそうです。
用6分に美が4分
急須は使ってこそ価値のあるものです。道具は用6分に美が4分と言われ使い勝手が良いことも大事なのです。
ここにあるものも一度は使ってみているそうですよ。
コレクションもこれだけの量になったので、作家の魂の入った作品を使わずしまって置くよりはと思ったのと、皆さんに急須を知っていただきたいという収集家の使命感のようなものを感じ平成元年こういう形で一般公開を始めました」と神戸さん。
急須の形は主に5種あって、一般的にお馴染みの横手形・中国茶器と同じ後手形・急須上部にとっての付いた上手形・主に玉露をいただくためのとってのない搾り出し形と宝瓶形(中に茶こし部分がある)です。
5種と言ってもその多様さは道具と一言では言えない芸術性を感じさせます。
初めて人間国宝になった三代山田常山の急須も
いろいろ見てから神戸さんは「でも、やっぱり自分の気に入った好みの急須で飲むお茶が一番おいしいな」といいます。
これもたくさんの急須でお茶を飲んでなくてはわからないですね。
その神戸さんが普段お茶を飲むのによく使うものは長野県池田町の森岡光男さんと言う作家さんの急須だとか。
神戸さん自身好きな作家さんだそうです。
ここでは急須としては初めて人間国宝になった三代山田常山の急須や、幕末に作られた青木木米の南蛮写しの急須なども展示されています。
中には神戸さん自作の急須もあったりして(なかなかかわいらしい急須なのです)。
知れば知るほど、急須って侮れません・・・。
敷地内にあるご自宅のお庭がオープンガーデンとして公開されていますのでそちらにもぜひ。
今は珍しい古き縁側が素敵です。